ベントレー(ベントレー・モーターズ)は、イギリス・チェシャーのクルーに本社を置くのラグジュアリーカーブランドです。こちらでは、ベントレーについて解説します。
ベントレーの歴史とは?
ベントレーモーターズリミテッドとして1919年に設立。1998年よりフォルクスワーゲングループに入っています。
創始者ウォルター・オーウェン・ベントレー
ベントレーの創始者はウォルター・オーウェン・ベントレーです。1888年、ロンドンのハムステッドで9人兄弟の末っ子としてベントレーは生まれました。
16歳で学校を卒業後、蒸気機関車へのあこがれから鉄道会社で見習いとして働きはじめたものの、見習い期間を終えるころには自動車への関心が強くなり、1912年に兄とともに自動車関連事業を開始。その事業で知りえたアルミ製のペーパーウエイトから自動車研究へ、研究の結果開発した軽量素材を使用したピストンをとりつけた車がレースで勝利したことで、自動車製造メーカーの設立につながりました。
第一世界大戦後の1919年にベントレーモーターズを設立。最初は小さな建物で自動車生産を始めました。ベントレーのモットーは「良い車、早い車、最高のクラスを作ること」。その後、ついにルマンの24時間レースで記録を残し、大きく知られるようになっていきました。
そのためベントレーの著名なモデルというと、歴史的なモータースポーツカーのベントレー4½ LitreとベントレーSpeed Sixがトップにあがります。それに続いて、人気の高いベントレー R Type Continental、ベントレー Turbo R、ベントレー Arnageなどがあります。その他のモデルではコンチネンタルフライングスパー、コンチネンタルGT、ベントレーBentaygaとミュルザンヌなどがあります。
ベントレー最大の市場は
世界的に販売されている車ですが、その最大の市場は中国です。
ただしベントレーの生産拠点は、ドイツのドレスデン工場やブラティスラバ工場やツヴィッカウ工場においてコンチネンタルシリーズやベンテイガなどの製造がおこなわれており、フォルクスワーゲンにある少数精鋭のチームで組み立てています。
VWグループのベントレー
今ではフォルクスワーゲングループとして好調なベントレーですが、設立してからの経営状況は良くありませんでした。特に1920年代後半の世界恐慌時は、その影響を受けて非常に経営不振に陥っています。その状況の中ロールスロイスがベントレーを買収。ロールスロイスとの合併以後、ベントレーはロールスロイスのモデルとのバッジエンジニアリング化が進みました。その結果、ロールスロイスのオーナードリブンカー版としてベントレーは姉妹車化されます。ただ、姉妹車となった後にはオーナードリブンカー用のスポーティモデルとして、ロールスロイスとの差別化が計られました。
1971年には、ロールスロイス自体が経営不振となり倒産を余儀なくされ、英国政府は航空宇宙部門と自動車部門(ロールス・ロイス・モーターズ)の2つの部門に分社化しました。その後、ロールス・ロイス・モーターズは、エンジニアリング・コングロマリットであるビッカースに売却され、1998年にビッカースはロールス・ロイスをフォルクスワーゲンに売却されて現在のフォルクスワーゲングループとなりました。
ベントレーの代表的な車種は?
こちらではベントレーを代表する車種をいくつかご紹介します。
ミュルザンヌ(MULSANNE)
ミュルザンヌは、80年近くの間、ベントレーモーターズが独自に設計した最初のフラッグシップカーとなっています。ハンドメイドで作られるフルサイズの高級車で、ベントレーアルナージの後継車として登場しました。
アルナージベースで生産されたブルックランズやアズールの後継車としても想定された車となっています。また、ベントレーフライングスパーやベントレーコンチネンタルGTとは異なり、ミュルザンヌはフォルクスワーゲングループとコンポーネントを共有していません。
ルマンレースに実在するミュルザンヌコーナーからその名前が付けられました。ミュルザンヌコーナーとは、ルマンレースで使用されるサルト・サーキットの最も長いストレート(ユノディエール)が終わった南端にある、右直角カーブのコーナーの名前となっています。そのルマンレースで、ベントレーは6度優勝しています。
フライングスパー(FLYING SPUR)
ベントレーコンチネンタルフライングスパーは2ドアコンチネンタルGTの後の2番目のモデルです。1999年にフォルクスワーゲングループが買収してからは、フォルクスワーゲングループの中で共通のコンポーネントが採用されています。フライングスパーは本質的にGTの4ドアバージョンとなり、同様の価格設定がされています。
2013年に登場したフライングスパーは、5,580ポンドの重さ・ツインターボ6.0リットルのエンジンを積載・600馬力の重量がある力強い車体となっています。
ベンテイガ(BENTAYGA)
フロントエンジンで前輪駆動の5ドアの高級クロスオーバーSUVです。2016年よりフォルクスワーゲンの工場で製造されたモデルとなります。ベントレー EXP 9 Fのコンセプトカーの進化であるベンテイガは2015年のフランクフルトモーターショーで、ユニボディの建設とフルタイム前輪駆動とフォルクスワーゲンを使用したベントレー最初のSUVです。
ベンテイガにおいて採用されているMLBプラットフォームでは、第二世代のAudi Q7と第三世代のポルシェ カイエンやフォルクスワーゲントゥアレグやアウディ Q8やランボルギーニ ウルスと共有されています。
ベンテイガという名前は2つの起源を持ちます。1つはカナリア諸島のグランカナリア中心部に位置する象徴的な岩場である「Roque Bentayga」です。もう一つは、世界最大の大陸横断の雪原であるベントレーとタイガの港から来ています。
ベントレーの今後
ベントレーモーターズジャパンは、2024年6月27日に新型ベントレーコンチネンタルGTスピード・コンチネンタルGTCスピードの国内導入を発表しました。日本市場へのデリバリー自体は2025年第一四半期開始見込みとなっています。
また、2024年10月2日には第4世代コンチネンタルGT・GTC、フライングスパー、からベントレーマリナーモデルが登場することを発表しました。マリナーモデルは、パフォーマンス重視のスピードモデル仕様にさらに多くのオプションや贅沢なディテールが追加された最高峰モデルとなっています。