新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と兼松が2020年9月24日に、目的地までの最短ルートを表示する電気自動車(EV)専用スマートフォン向けナビゲーションアプリ「EV Co-Driver」の本格提供を開始したと発表しました。電気自動車専用ナビアプリは、この「EV Co-Driver」が世界で初めてとなります。電気自動車専用ナビアプリの利用は、電気自動車ドライバーの電欠に対する心理的不安の軽減を図り、電気自動車ユーザーの行動範囲拡大やEV普及の促進につなげることを目的としています。
こちらの記事では、電気自動車が電欠になったときの対処法や電欠になってしまった場合の注意点などについて詳しくご説明いたします。電気自動車を使用している方はぜひ参考にしてみてください。また、自家用車が電気自動車ではない方もこの先レンタカーなどで電気自動車を使用する機会があるかもしれませんので、知っておくと良いでしょう。
電気自動車のバッテリー
電気自動車には、ハイブリット車と同様に走行するための駆動用のバッテリーとアクセサリー類を動かすための補機用のバッテリーの2種類のバッテリーが装備されています。2種類のバッテリーはどのような役割があるのでしょうか?それぞれのバッテリーについて詳しくご説明いたします。
駆動用のバッテリー
電気自動車の駆動用のバッテリーは、容量の大きいリチウムイオンバッテリーやニッケル水素バッテリーが搭載されています。それによりモーターを駆動しています。駆動用のバッテリーには高圧ボルトが流れており、どれも数百ボルトとなっています。エンジンを始動するためのセルモーターは瞬間消費電力が大きく、バッテリーにかなりの負担をかけてしまっています。電気自動車にとって駆動用のバッテリーはエンジンと同じで、とても重要な働きをしています。電気自動車の駆動用のバッテリーの残量がなくなってしまう「電欠」の状態になった場合には、ガソリン車とは違い充電に時間が掛かってしまうため、現場での応急対応ができません。もし万が一、電欠となってしまったときは速やかにロードサービスなどに連絡をしましょう。
補機用のバッテリー
電気自動車の補機用のバッテリーには、エンジン車と同じ12ボルトの補機バッテリーが積まれています。補機用のバッテリーとは、走行以外のアクセサリー類、エアコンディショナーやカーナビゲーション、ランプ類などを稼働させるためのバッテリーです。駆動用とは別に補機用のバッテリーが積まれている理由としては、すべては駆動用のバッテリーで稼働させるよりも駆動用と補機用の2つのバッテリーがそれぞれ稼働したほうが効率が良く、損失も少ないからです。車のアクセサリー類というのは昔から12ボルトのバッテリーで稼働されてきました。それに合わせて部品も12ボルト仕様の大量生産が行われており、そういったことからエンジン車の補機バッテリーと同じ12ボルトの補機バッテリーが搭載されているのです。補機用のバッテリーの注意点としては、補機用のバッテリーが上がってしまうと、たとえ駆動用のバッテリーの充電がフルの状態であってもパワーユニット(システム)の起動ができず、走行不能の状態となりますので気を付けましょう。
電欠になったときの対処法
もし万が一、電気自動車が出先などで電欠となってしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?電気自動車が電欠となってしまった場合の対処法について詳しくご説明いたします。電気自動車を使用されている方は参考にしてみてください。
1、まずは安全な場所へ停車
電気自動車の駆動用のバッテリーが切れてしまった場合、つまり電欠の状態になってしまった場合には駆動用のモーターの力で車を動かすことができなくなってしまいます。出来れば、バッテリー残量が底をつく前に安全な場所に停車をさせましょう。もし安全な場所に移動する前に電欠の状態となってしまった場合には、シフトポジションをNレンジに入れ、車を手で押して安全な場所へ移動させてください。
2、救護を呼ぶ
安全な場所へ停車したら、次に救護を呼びましょう。救護先はJAFなどのロードサービスもしくは加入している自動車保険に付帯しているロードサービスがある場合にはそちらに連絡をして救護を依頼しましょう。自動車保険に付帯しているロードサービスの多くは、電気自動車の電欠時にレッカーを手配できるようになっています。電気自動車が電欠となってしまった場合には、充電する必要がありますので充電器がある場所まで搬送してもらいましょう。
3、電源ポジションをOffに
安全な場所へ停車し救護を呼んだら、アクセサリー類はすべてOFFにして電源のポジションもOFFにしましょう。駆動用バッテリーが電欠の状態になっていても、補機用のバッテリーは使用可能です。しかし、そのまま補機用のバッテリ―を使用していると当然バッテリーが上がってしまいます。補機用のバッテリーが上がってしまった場合、駆動用のバッテリーを充電したとしても車のシステムを起動することが出来なくなり、走行させることが不可能になってしまいます。電源ポジションは必ずOFFにするようにしてください。
電欠になってしまった場合の注意点
バッテリーの残量警告灯が点滅したら、走行用バッテリーの残量が少なくなっているサインです。電欠にならないためにはバッテリーの残量警告灯が点滅する前に充電をすることが望ましいです。つぎに、もし電欠になってしまった場合の注意点について詳しくご説明いたします、電欠になってしまった場合には以下の2つのことに注意してください。
むやみに駆動用バッテリーに触れない
電欠になってしまったからといって、むやみに駆動用のバッテリーに触れることはとても危険です。なぜならば、駆動用バッテリーは電圧がかなり高くなっているからです。電欠になってしまった場合は、むやみに駆動用バッテリーに触れたり自分でどうにかしようとせず、すみやかに救護を呼ぶようにしてください。
補機用のバッテリーの使用もやめる
電欠になってしまった場合でも、補機用のバッテリーは稼働します。つまり、エアコンディショナーやカーナビゲーション、ランプ類などは作動します。しかし、補機用のバッテリーが上がってしまうとシステムが稼働しなくなってしまい、車が動かなくなってしまいます。万が一、電欠を起こしてしまった場合には、アクセサリー類の電源はすべてOFFにし電源ポジション自体をOFFにすることを忘れずに行ってください。
まとめ
今回は、電気自動車が電欠になったときの対処法や電欠になってしまった場合の注意点などについてご説明しました。いかがでしたでしょうか?電気自動車が電欠となると復旧までに多くの時間と手間がかかってしまいます。それだけではなくJAFの会員でない場合や自動車保険に加入していない場合などには、レッカー代などの搬送費用もかかってしまうケースも考えられます。電気自動車の電欠というのは、ガソリン車のガス欠と同じ状態です。ガソリンの車であれば定期的にガソリンを入れたり、ガソリンの量を確認します。それと同様に電気自動車であれば定期的に充電をしたり、バッテリー残量を確認しましょう。電欠にならないようにするためには、バッテリーの残量警告灯が点滅する前に充電をすることが大事です。少し気を付けるだけで電欠は未然に防ぐことが可能となっています。