【最新】世界の自動運転技術のレベルは今どこまで進化した?

こちらの記事では、最先端の自動車技術である”自動運転”について詳しく解説します。

自動運転とは、単純に言えば人の代わりに機械が運転をするということです。自動運転機能の技術が進化することで、交通事故の削減や渋滞の緩和、移動手段の確保ができるようになることが期待されています。

自動運転のレベルとは

自動運転の技術はレベルで段階分けされています。例えば、2018年にレベル3の自動運転技術を搭載したアウディA8が投入され、その後、日本国内でも2021年に自動運転技術レベル3を搭載したホンダのレジェンドが発売されました。

レベルごとに区分された自動運転技術の内容について下記の表で解説します。

レベル分け自動運転の内容
レベル0ドライバーがすべてを操作
レベル1システムがステアリング操作
加減速のどちらかをサポート
レベル2システムがステアリング操作
加減速のどちらもサポート
レベル3特定の場所でシステムが全てを操作
緊急時はドライバーが操作
レベル4特定の場所でシステムが全てを操作
レベル5場所の限定なくシステムが全てを操作

レベル2までは運転支援技術、レベル3から5にかけては自動運転技術となります。

どんな場所でも限定なく完全自動運転化を導入するには技術課題が多いものの、過疎地など移動手段確保が必要な場面での、自動運転車による実証実験等は既に開始されています。

世界の自動運転技術は

海外で自動運転市場に参入している企業はどのような企業なのでしょうか?大きく分けて3つのカテゴリーに分けられます。
1つ目はフォルクスワーゲンやメルセデスベンツなどの自動車メーカーです。2つ目はドイツのボッシュに代表される自動車部品メーカーです。3つ目はGoogleのようなIT企業です。以上の3つのカテゴリーの企業が主に参入している傾向にあります。

現状では自動車メーカーが最も動きが速い傾向にあります。

安全運転に役立つ自動運転技術

アウディA8は今回のモデルチェンジにおいて量産車として初めてレベル3の自動運転機能を実現したことで注目を集めたのは記憶に新しいのではないでしょうか?

具体的には今回のA8はアウディAIトラフィックジャムパイロットという高速道路などを60km/h以下で走行する際に、発進や加速、ステアリング操作、ブレーキをすべて自動化するといった機能を積載した車です。アウディAIトラフィックジャムパイロット作動時はドライバーはステアリングから手を離したままでもいいですし、テレビを見るなど、運転以外のことをすることも可能となります。

世界初のレベル3の自動運転がついに公道において実現すると期待を寄せていたアウディファンも多いはずだが、現状において日本に導入されている新型A8にはその機能は搭載されていません。それだけではありません。今日の時点でアウディAIトラフィックジャムパイロットが積載されるA8が販売されている国はどこにもありません。

実際は法整備が遅れ、導入することが難しいといった状況なのです。

日本ではレベル3までの自動運転車が公道走行可能に

日本では、2021年に道路交通法上はレベル3の自動運転が可能となり、実際に国内でもホンダレジェンドにレベル3の自動運転技術が搭載されました。レベル3の自動運転については、運転者がハンドルから手を離して、一定の条件下であればシステムに運転操作をまかせることが可能となっています。

ただし、自動運転中に条件下から外れ、自動運転システムによる走行ができないとなった時に即時に運転者は通常の運転に戻れる状態でなくてはいけないとされています。また、自動運転による走行が可能な場所が一部高速道路に限られるなど、まだまだ一般道路での自動運転走行はできない状態となっています。

海外での自動運転技術は

自動車の国際的な認証について話し合う国連欧州経済委員会(UN-ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)において、現在の基準では10km/h以下の自動操舵しか認められていません。そのためドイツでもアウディAIトラフィックジャムパイロットは搭載できず、試験走行のみとなっています。つまり、アウディAIトラフィックジャムパイロットが現実のものになるには、自動運転に関する国内外の法整備が必要であり、2020年までにレベル3を実現したいとする日本でも、いましばらくはアウディAIトラフィックジャムパイロットが用意されることはないと思われます。

メルセデスベンツの自動運転技術

現実的な自動運転機能を持った車としてメルセデスベンツがあります。メルセデスベンツは現状においてレベル2の自動運転レベルなのですが、将来的にはアウディのレベル3に追随することが予想されます。メルセデスベンツの安全装備はまさにフル装備と言われています。メルセデスベンツの自動運転技術について解説します。

アクティブ・レーンチェンジ・アシスト

時速80~180キロにおいて、ドライバーがウインカーを出すだけで、車が周囲の安全を10秒間確認し、自動的に車線変更を行う機能です。速度のコントロールも行ってくれ、まさに「ウインカーを出すだけ」とのことで、かなり便利な機能と言えます。ただ、混んでいる場合は自動運転にレーンチェンジを任せていると「いつまでたっても車線変更できない」ケースが生じると思われます。というのも自動運転は安全運転重視でしょうし、「割り込んででも」車線変更をしようとはしないだろう、と考えられるためです。となると、「微妙な隙間を見つけて車の鼻先を入れて車線変更をする」人間の運転にはちょっと敵わないだろうとも思われます。

アクティブ・レーン・キーピング・アシスト

時速60~12キロにおいて、車線を逸脱すると自動的に戻ってくれる機能です。もし車線がなくなった場合は、隣の車線を走る車、周囲の車と接触しないように車を走らせることができるようです。急に車線が増えたり減ったりする環境の場合はどう作動するのか不安は残りますが、やはり有用な機能です。

アクティブ・スピード・リミット・アシスト

カメラで標識を読み取る、またカーナビで走行している道路を判別して速度制限を認識し、その速度を超えないように車を走行させる機能です。アウトバーンなど「速度無制限」区間では、時速130キロに速度を制限する、とのことです。これは新型シトロエンC3にも搭載される機能ですね。

トラフィック・サイン・アシスト

上記同様、標識を認識して車の速度などを制限する機能です。

アクティブ・ディスタンス・アシスタント・ディストロニック

前車との距離を維持するものですが、カーナビと連動して「合流」「料金所」などを認識する模様です。ただ前車についてゆくだけではなく、高速の出口に近づくと速度を落とすなどの判断ができるようですね。

イベイシブ・ステアリング・アシスト

これは突然の危機を回避する際、ステアリングを切る角度が足りなかったり、もしくは切りすぎて何かと衝突しそうになるのを防ぐもので、「適切な」ハンドル切れ角にて危険回避を行う、としています。たしかに「なにかを避けた」がためのクラッシュは避けたいものです。

アクティブ・ブラインド・スポット・アシスト

時速10~120キロにて走行中、ブレーキを踏んだりウインカーを出した際、周囲に「当たりそうな車」がいることを教えてくれる機能、とのこと。

アクティブ・パーキングアシスト&リモートパーキングアシスト

バードビューにて周囲の障害物を教えてくれ、かつ必要であれば自動で駐車してくれる機能です。

カー・トゥXコミュニケーション

路上になんらかの警報や注意が発されている場合、それをドライバーに教えてくれます。

具体的にこれらはADAS(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システムズ)と呼ばれるもので、トータルで9つあります。これらはメルセデス・ベンツいわく「完全自動運転に向けた重要な技術」だとしています。Sクラスだけにメルセデス・ベンツの技術の粋を集めたものだと思われますが、これまでの「パッシブ」から「アクティブ」へと変化し、危険を知らせてくれるだけではなく「危険を回避できる」ようになっている、と考えて良さそうです。

まとめ

こちらの記事では、最先端の自動車技術である”自動運転”について解説しました。

自動運転技術がさらに進化することで、ドライバーが運転中に行わなければならない【認知】【判断】【操作】などを、システム(AI・機械)が代行できるようになります。そうなることで、現在移動手段が足りずに困っている過疎地域での利便性が上がり、またブレーキとアクセルの踏み間違い等による交通事故の防止にもつなげることができます。今回の記事でご紹介したように、様々な企業がせめぎあい技術を高めあうことで、できるだけ早く完全自動運転化技術への進化を期待したいものです。