新生活に向けて、車が必要となり購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。実は、現状として新車は購入や契約自体は可能ではあるものの、自動車製造メーカーでは車の製造に必要な部品の不足やコロナ感染拡大の影響を受けて自動車生産の遅延が発生していて、納車までに期間があいてしまうことが多くなっています。そのため、すぐに乗り出しが可能となる中古車に注目が集まっているのです。
こちらでは、中古車購入時の中古車選びの注意点について解説します。
中古車選びをする時の9つの注意点
中古車を購入する時、注意するポイントは大きく分けると9つあります。こちらの中古車購入の9つの注意点について一つずつ解説します。
- 価格変動に注意する
- 在庫が無い目玉車両に注意
- 中古車購入時の総支払額で見る
- 走行距離は少ないほど良いのか
- 修復歴車について
- 定期点検記録簿はあるか
- 燃費に注意する
- できるだけ試乗する
- 修理保証について
1.価格変動に注意する
新車販売は中古車とは異なり、値引きのことを考えなければ、定価というメーカーが予め決めている価格設定があります。
しかし中古車販売では、たとえ車種やグレードが全く同じでも車ごとにコンディションが大きく異なってくるため、価格には一台ごとに大きな幅があります。また、中古車市場における需要と供給のバランスの変化によっても、販売価格が変動します。
例えば、ボーナス商戦や就職などの時期的な要因で、車の需要が高くなったり、軽自動車の人気が高騰するなど車種によって差がでることで需要と供給に差が生まれる時期は、値上がりや値下がりが常に発生するため、タイミング次第で安価に購入できることもあります。例えばモデルチェンジがあった際などは、モデルチェンジ前の車体の価格が下がる可能性がありますので、購入をする人も、買取してもらう人も価格の動向について注意しておかなければいけません。
また中古車市場では、人気の車種や人気のカラーは需要があるため販売価格が高くなります。機能面でいうと変わらないため、安く車を購入したいのであれば、人気車種やカラーを避けると良いでしょう。中古車市場で人気の高いカラーについては、モノトーン系といわれるベーシックカラーのホワイト、ブラックは最も人気が高く、同じ車種でもレッド、ブルーなどは購入者を選ぶため比較的安価な車体が多くなります。
2.在庫が無い目玉車両に注意
前述したように新車とは違い、中古車は現品を販売しているため乗り出しがすぐに可能という利点があります。しかしその分、現品限りの中古車においては、「雑誌・ネットで掲載している目玉車両が、店舗に足を運んでみたら既に売れてしまっていて在庫がなかった」ということがありえます。もちろん自然にそうなった可能性もありますが、元々存在していないものを広告目的で掲載し、目玉車両を目当てに足を運んだ客に他の商品を見てもらおうと考える販売店もあります。
来店する直前に電話をかけてみて在庫を確認し、電話ではまだあると言っていたのに、実際に来店したら「ついさっき売れた」と言うような場合は、悪質な販売店の可能性があります。相場とかけ離れた好条件の中古車を掲載しているなどの場合は、来店前に少し疑ってみるべきでしょう。
3.中古車購入時の総支払額で見る
ネットや雑誌などで価格を掲載している場合、競合他社との比較が簡単ですので、出来るだけ安く見せるために車両本体価格を安く設定し、その代わり諸経費(諸費用)を非常に高く取るというケースがあります。諸経費のうち、税金などの法定費用は下げようがない部分ですが、その他については中古車販売店がそれぞれの裁量でいくらでも設定できてしまいます。よくわからない諸経費として、見積もりに納車準備費用、テスト走行費用などが計上されている場合は、販売店側にその諸経費が必要であるのか、どのような内容に費用がかかっているのか確認しましょう。
例えば、中古車購入時に納車費用として見積もりが取られているのであれば、自分で実車を引き取りに行けば普通は無料になります。しかし、諸経費で荒稼ぎしようとしている業者であれば諸経費を減らすようなことは拒否される可能性があるのです。車両本体価格だけで比較すれば高かったところでも、諸経費を含めた総支払額で比較すると安くなったという場合があります。中古車購入で条件が似ている同車種の購入費用を比較する際は、必ず総支払額で行うようにしましょう。
4.走行距離は少ないほど良いのか
中古車は、基本的に走行距離が多ければ多いほど劣化がすすむため販売価格は下がります。車は走ることで各パーツが摩耗するため、低走行車は高く、多走行車は安くなるのです。
ただし、年式が古く走行距離が短い、低年式低走行車といった場合、距離としてはあまり走っていないにも関わらず状態は悪くなっている可能性があります。それは、車はエンジンを動かしていない期間が長いと不調になり、長期間置いたままの車のタイヤは一定の部分にのみ常に負荷がかかっているため、乗り出した途端故障などのトラブルが発生することがあるのです。定期的に走らせている方がエンジンの状態も保てているため、普通車の平均的な走行距離とされる1年間で8000~1万kmよりも少ない、年間走行3000km以下などの車体には注意が必要です。
また、低走行過ぎる車や、多走行車に対し劣化しているのではと不安になる方は、定期的なメンテナンス・パーツの交換を行っていれば、走行距離に関わらず良好な車体もありますので、その時の車の状態や定期点検の実施内容など、中古車販売店の人に聞いてみたり、試乗して確かめると良いでしょう。
5.修復歴車について
停車中のドアパンチでドアを擦った傷や、自損事故でバンパーに傷がついたなどの損傷を車が受けた時、自宅でタッチペン塗装をしたり修理工場で塗装修復していても、「修復歴車」とはみなされません。修復歴車にはしっかりと定義が定められていて、車の骨格部分(フレーム)など、車の中心部分を修理したり部品を交換したものが修復歴車となります。
修復歴がある車は、中古車販売の際販売価格が非常に安くなるため購入を検討する方も多いでしょう。しかし、中にはちゃんと修理ができておらずフレームが曲がったままの車などが売られていることもあります。修復歴車と書かれているものは、販売店にどこを修理したのか、しっかりと確認しましょう。そこで修理箇所をちゃんと説明できていないようであれば、その車、あるいはそのような車を販売するようなお店は、購入を控えたほうが良いでしょう。また、修復歴があるということは、重大な故障や損傷を受けたことがある車ということになりますので、今後トラブルや車体への影響がゼロとは言い切れません。長く乗り続けたいと考えていたり、不安を感じるのであれば、修復歴車はやめておいた方がいいでしょう。
6.定期点検記録簿はあるか
「定期点検記録簿」は、その車の過去の整備状況が記されている書面です。中古車販売店に売却した、その車の前オーナーがどのような定期点検を受けてきているのか、エンジンオイル等の交換をしていたか、などが記されています。
中古車は、この定期点検記録簿がない場合や、一部しか残っていないものがあります。単純に紛失した可能性も0ではないでしょうが、整備状況が伝わると売れなくなるか売値が下がると考えた前オーナーまたは販売店が破棄したと考えるべきでしょう。定期点検記録簿がない車は確実に壊れるわけではないにせよ、安心できる車ではないということです。販売されている車両に取り付けられていない場合は、販売店に理由を尋ねてみましょう。
7.燃費に注意すること
安く中古車を購入したとしても、年式の古い車や総排気量が大きい車の場合、燃費が悪いことで維持費で高くついてしまい、車を所有することで将来的に損をしてしまう可能性もあります。
燃費の良い車は、性能が良い分比較的高年式の車両が多くなるため、中古車販売時の車両価格は高い傾向にあります。購入時どうしても高くなってしまうものの、乗り続ける上での維持費は抑えられるため長く乗る方や、車の利用頻度と走行距離が多い方は、後々得をする可能性があります。しかし、あまり車を利用する機会が少ないという方や、短距離を乗ることが多い方は、燃費の良い車を選んでも結果活かせないということもあります。自分の利用する頻度や走行距離から、販売時の車両価格の差が燃費の差で埋まるのか計算すると良いでしょう。
例えば、車両自体が重い車は車を走らせるためにパワーを必要とするため、そもそもの総排気量が大きく燃費も高くなる傾向にあります。しかし、軽自動車など規格に収まるボディサイズの車は車両自体も軽く、総排気量は660㏄までと決められているため、年式が古い車であっても燃費が抑えられている車が多くなります。自宅から近所までの街乗りが主で、長距離を走らせる機会が少ない方や、利用頻度が低いという方は、軽自動車の中古車を検討するというのも一つの手です。
8.できるだけ試乗する
中古車を販売している店舗や店舗形態、販売されている車にもよりますが、中古車も購入前に試乗できるお店があります。試乗できるお店であっても、車によっては車検が切れていて公道を走らせることができなかったり、保険に入っていないため万が一の事故のリスクを考えて試乗を断れる場合もありますが、「全く実物を見ずに購入したら、サイトに記載されているよりかなり酷い状態だった」という可能性もありますので、実際に車を目で確認し、乗り心地や走行中の感覚などを確かめると安心です。できるだけ実際に車両を確認し、試乗しておくことをおすすめします。販売店によっては事前予約が必要な場合もあります。急遽いってみても、試乗出来ないということもありますので、前もってウェブサイトや電話をして確認してから行くようにしましょう。
9.修理保証について
新車にはほとんどのメーカーで販売保証がついていますが、中古車はすべての車に保証がついているわけではありません。購入後の故障や万が一のトラブルが心配な場合は、購入後の修理保証が付いている、もしくは付けることができる車を選ぶようにしましょう。修理保証がついていたり、つけることが可能な車ということは、販売店からも修理保証できるだけの品質を認めていることになります。
ただし、中古車販売店の修理保証は、低年式といわれる経過年数が13年より古い車や、走行距離が13万km以上の車は対象外になることがあります。年式が古かったり多走行車であるほど、購入価格は安くなり購入はしやすいものの、保証がつけられない車も多くなりますので購入時に対象となるか確認が必要です。
まとめ
今回紹介したポイントを元に中古車を選んでいただき、出来るだけ良い状態の車をお得な価格で安心して買うことの手助けになれば幸いです。