車はもつだけでお金がかかってしまうものです。駐車場などの保管料や毎年の車にかかる税、走行には必須の燃料費、さらに二年に一度は定期的な検査をうけなくてはならないため、点検費用もかかってきます。最近は維持費をできるだけ掛けたくないという人がいて、車を必要な時だけ借りる方法をとっている人も多いのです。
車の普及率減少は費用負担が原因?
車の普及率減少や、若年層の車離れが話題となっています。車の購入が見送られる原因として、購入時や維持にかかる高額な費用がネックになっているようです。
自家用車の普及率は年々減少傾向
自動車検査登録情報協会の集計によると、令和4年3月末における自家用車の世帯当たりの普及台数は1.032台となっています。前年令和3年3月末は1.037台、前々年の令和2年3月末は1.043台となっており、過去と比べても普及率が減少傾向にあることがわかります。
特に東京都の世帯当たりの普及台数は0.421台、大阪府は0.627台、神奈川県は0.684台と、都市部を中心に世帯当たりの普及台数が一台に満たない結果となっています。都市部では、一世帯で一台も車を持っていないという家庭が多くなっています。これは、都市部では公共交通機関が充実していて車が必要になる機会が少ないことや、地価が高いことで駐車料金も高くなることから負担が大きくなってしまうため、車の普及率に影響を与えているようです。
意識調査からわかる車の購入が減少気味の理由
2023年 20歳のカーライフ意識調査
・「車を購入するつもりはない」23.6%
・自分の車を持ちたいと思わない理由1位「購入費用を負担に感じるから」(37.3%)
出典元:ソニー損害保険株式会社(https://www.sonysonpo.co.jp/auto/)
以上のように、大手保険会社による2002年4月2日から2003年4月1日生まれで2023年に20歳になる人を対象としたカーライフ意識調査では、1000人中236人が車の購入には後ろ向きで、なかでも、最も多く挙げられていた理由が『費用負担への不安から車の所有を見送った』という声になっていました。
車の購入と維持に具体的にかかる費用
車の購入時にかかる費用や、車を所有するとかかる維持費用を負担するとなると不安になり、車の購入をやめてしまったという声もあります。では、具体的に、車にはどのような費用がかかるのでしょうか。
まず、車を購入するときにかかる費用の内訳は、『車本体の価格』『登録手数料』『車の保険料』『車の税金』です。ディーラーや中古車店で購入する場合は、見積もりをとると内訳の各料金でどの位かかるのか確認することができます。中古車で購入する場合は、車検有効期間が残っている車であれば、名義変更にかかる手数料と車の本体価格が見積もりには記載され、保険料や税金は車検有効期間分に既に含まれているため、車体価格に含まれて提示されている場合があります。名義変更手数料は、車庫証明の代行取得手数料や運輸支局での登録代行手数料となるため、業者によって費用が前後します。
車の購入後にかかる維持費は、毎年4月になると所有者に課税される車の税金(自動車税種別割)と、自宅内に駐車場がない場合にかかる駐車料金、ガソリン等の燃料費、車の定期メンテナンス費用となります。燃料費や税金は、車の排気量や燃費性能で異なってきます。また、年式によっては重課措置により税金が高くなることがあります。
レンタカー・カーシェア・カーリースを利用する
前述のとおり、車をもつには初期購入費用だけでなく維持費用もかかることから、自家用車を所有しない選択をする人も多くなってきています。しかし、時と場合により車が必要という方もいらっしゃるでしょう。このような場合、車を購入するという選択肢もありますが、近年では車を購入せず、レンタカー・カーシェア・カーリースといった『車を必要な時だけ借りるサービス』を利用する方も増えています。
レンタカー・カーシェア・カーリースの各特徴とは
最近では、車を持つのではなく必要な時だけ借りるサービスが増えてきています。こちらでは、それぞれのサービスの特徴をご紹介します。
レンタカーの特徴
レンタカーは『必要な時だけ車を一時的に借りたい人』向けのサービスです。利用時間によって料金が発生し、ガソリン代は利用者が支払うことになります。定期的な費用は発生せず、時間毎の利用料金と消費したガソリンの給油代金のみ必要となるため、普段は車を利用していない人が、旅行先などで車が必要になった際に利用するなどといった限定的な用途に適しています。ただし、日常的に車を利用する場合は他のサービスよりも料金が割高になってしまう傾向もあります。
カーシェアの特徴
カーシェアは『定期的に車を短時間(または短距離)利用する人』向けのサービスです。利用時間によって料金が発生し、ガソリン代は利用料金に含まれます。定額制のサービスが多いため、月額の利用料金が設定されており、全く利用しない月があるような場合は無駄になってしまいますので、そういう場合はレンタカーの方が良いでしょう。利用時間が短時間(週に数時間、月に十数時間程度)であればお得に利用できますので、週末にスーパーや買い物に行くなどの短時間の街乗りをする用途に向きます。定期的に、短時間または短距離利用する方にはおすすめですが、レンタカーと同じく長時間、定期的な利用となると高くなってしまいます。
カーリースの特徴
カーリースは『数年単位の契約で車を長期的に利用したい人』向けのサービスです。車両本体価格や税金などの各種諸費用を含めたリース料を毎月支払うことで、その車を長期的に使用することができます。たまにしか車に乗らないなど、短期間・短時間の利用で済む場合は、レンタカーやカーシェアの方が安く運用できますが、長期間・長時間の利用をしてもリース料は一定ですので、利用頻度が高い人はお得に運用が可能です。また、カーリースは契約満了後車両をそのまま購入することができるサービスもありますので、初期費用がかからない購入方法としての選択肢にもなっています。
レンタカー・カーシェア・カーリースの特徴を比較
こちらでは、レンタカー・カーシェア・カーリースのそれぞれの特徴から、どのような時にどのような利用をするかにより、適したサービスを比較してご紹介しています。
項目 | レンタカー | カーシェア | カーリース |
---|---|---|---|
想定利用頻度 | 必要になった時だけ | 週末利用(週2~3日) | ほぼ毎日 |
利用期間 | 短期間(半日や長くとも1~2日程度) | 月単位契約で必要な期間だけ | 数年間(3~5年程度)の契約 |
定期的な支払い | なし | あり(基本利用料) | あり(リース料) |
利用時間による支払い | あり | あり | なし |
ガソリン代 | 利用者負担 | 無料(利用料金に含まれる) | 利用者負担 |
自動車保険(自賠責) | 利用料金に含む | 利用料金に含む | 利用料金に含む |
任意保険 | 利用者負担 | 利用者負担 | 利用者負担 |
車の保管場所 | レンタカー店舗 | リース提携駐車場 | 自宅駐車場 |
適した用途 | 旅行など不定期な用事 | 定期的かつ短期間の街乗り | 通勤・買い物・旅行など |
まとめ
車はもつだけでお金がかかってしまうものです。
駐車場などの保管料や毎年の車にかかる税、走行には必須の燃料費、さらに二年に一度は定期的な検査をうけなくてはならないため、点検費用もかかってきます。最近は維持費をできるだけ掛けたくないという人がいて、車を必要な時だけ借りる方法をとっている人も多いのです。こちらでは、車を借りる3つのサービス『レンタカー・カーシェア・カーリース』について詳しく解説しました。
車の普及率は減少傾向にありますが、車を持たない人が必要なだけ車を借りる『レンタカー・カーリース・カーシェア』という3つのサービスは、今後さらに充実度を増していくことが予想されます。車を借りている間のガソリン代の取り扱い方や、利用料金に含まれる保険など、サービスごとに様々です。車の利用シーンを想定して、自分の生活スタイルに一番マッチするのはどのサービスなのか、検討材料の参考にしていただければ幸いです。