近年、車内熱中症による死亡事故が相次いでいます。今年に入ってからもすでに何件も起きており、連日のようにニュースで報道がされています。車内に子どもやペットを残したまま車から離れることは絶対にやめてください!それは、たとえ真夏ではなくても同じです。
JAFによると、JAFが出動した「キー閉じこみ」の救援のうち、子どもやペットが車内に残されたままであったケースは2019年8月にはたったの1カ月で144件、2018年8月にはたった1カ月で246件も発生したとのことです。JAFが実施した車内温度の検証テストによると、真夏の35度の炎天下では、エンジンを止め窓を閉めた状態ではわずか15分で人体にとって危険なレベルに達するという結果が出ています。また、車を日陰に駐車している場合でも車内温度の差は炎天下の場合とほとんど変わらないことがわかっています。
こちらの記事では、車内熱中症の危険性や対策などについてご紹介したいと思います。車内熱中症に関して油断は禁物です。必要以上の注意を払うようにしてください。
車内は熱中症・死亡の危険性アリ!
車内熱中症の危険性についてご説明いたします。想像以上に車内は熱中症のリスクが高くなっています。車内は熱中症のリスクがとても高くなっています。車内熱中症のリスクは炎天下に限らず日陰でも起きる可能性はあり、駐車時に限らず運転時にも起きる可能性があります。
車内に子供を置き去りで死亡事故相次ぐ
車内に子供を置き去りにしたことによる死亡事故が多発しています。
死因は、熱中症とみられています。
必ず、車内に子供がいないか確認してから降りましょう。
◇相次ぐ車内放置死亡事故ニュース
熱中症か 6歳と3歳女児が死亡 車の後部座席で意識失い救急搬送 高松市
3日昼ごろ、高松市で路上に止めた車の後部座席で女の子2人が意識不明となり、搬送先の病院で死亡が確認されました。熱中症と見られています。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/1424e0f2750fe28fdd92cea808cea79a2769ad71
父親のテレワーク疲れも原因か…2歳女児、車内に7時間放置で死亡 臨床心理士が指摘“心の再起動”による心理的ストレス
6月17日、茨城県つくば市で2歳の女の子が車内に取り残されて死亡した。場所は小学校の駐車場で、2歳の女の子がぐったりしているのを父親が発見。次女は搬送先の病院で、熱中症の疑いがあると診断され、その後、死亡が確認された。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/cc6fbd7a977a5cf4efe88106edbddd07a245d70e
JAFが行った真夏の駐車場に子供を車内に残した状況を想定したテストでは、熱中症の危険度を計測しました。
少しの時間でも車内に子供を残すのは、危険なのでやめましょう。
テスト2:短時間であれば、子どもを車内に残しても安全?
エアコン停止からわずか15分で、熱中症指数が危険レベルに達した。
乳幼児は体温調節機能が未発達で、高温下では短時間で体温が上昇し、死に至ることがある。寝ているからという理由で、車内に子どもを残すのは大変危険である。
また、高齢者も加齢にともない、体温調節機能が低下するため、同じように危険である。
引用:https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/summer
車内は熱中症リスクが高い
真夏は特に駐車している車に乗り込もうとすると、ドアを開けた瞬間に熱気がすごいと感じることが多いのではないでしょうか。炎天下に車を駐車すると、エンジンを止めてから約30分後には車内温度は40度を超え、最高温度は60度以上まで上がることもあると言われています。ほんの少しの時間であっても、車内温度は予想をはるか超えるほどの高温となってしまうのです。暑さ対策として、駐車時には日差しを遮るサンシェードを取りつける方や窓をほんの少しだけ空けておく方もいるでしょう。しかしそれでも、車内温度は約50度に達すると言われています。真夏の車内は短時間であっても急激に温度が上がる危険性に注意をしてください。
炎天下はもちろん日陰も熱中症の危険が
車内熱中症の危険性があるのは炎天下だけでもありません。「日陰だったら大丈夫だろう」という考えはかなり危険です。たとえ日陰に車を停めている場合であっても熱中症の危険性は十分にあるのです。炎天下に駐車している場合の車内温度と日陰に駐車している場合の車内温度を比べてみた結果では、約7度ほどしか変わらないことが実証されています。つまり、炎天下の場合は車内の最高温度は60度以上まで上がることもあるといわれているので、日陰の場合であっても車内の最高温度は50度以上まで上がることもあるということです。
やけどを負う危険性も
車内温度が高温になることにより、やけどを負ってしまう危険性も考えられます。これは車内温度が上がることにより、シートベルトやチャイルドシートの金具などの金属部分までもが高温になってしまうからです。車内にガスライターやスプレー缶などを置いたままにしてしまっている場合は爆発し火災が起こる危険性もあり、実際にスプレー缶爆発による車の火災事故が起きているのです。
運転中にも車内熱中症の危険が
たとえ運転中にエアコンをつけている状態であっても、車内熱中症リスクがまったくないわけではありません。エアコンが聞いている状態であっても、夏場の長時間の運転はリスクが高くなってしまいます。ドライバーはとくにハンドルが熱くなりやすいことやハンドルから手が離せないので水分補給を忘れがちなことから脱水や熱中症のサインに気付かないことも考えられます。適度の休憩とこまめな水分補給を取り入れることに十分に気を配りましょう。
車内熱中症の対策とは
車内熱中症にならないようにするためには、熱中症予防対策が必要です。日ごろから熱中症対策を身につけておくようにしてください。
車内の空気を冷やす
乗車してすぐなどの場合はカーエアコンが効くまでの間、車内の熱気を出すために窓を全開にするというのもひとつの方法です。ドアの開け閉めを数回繰り返して車内と車外の空気を入れ替えるという方法も効果的であると言われています。ほかには、ひとつの窓やドアを開け、その対角線上にあたるのドアを開け閉めすることで空気の通り道を作る方法も、車内の空気を素早く入れ替える方法として効果的です。
車内熱中症対策グッズの使用
車内熱中症対策グッズをしたからといって車内熱中症には絶対かからないというわけではありませんが、熱中症対策はしないよりはする方がもちろん良いです。
- 車内用扇風機
- 車内用冷感座席シート
- 車内用冷却スプレー
- サンシェード
- カーフィルム
など、そのほかにも冷却タオルなど日常で使用できる熱中症対策グッズも活用しましょう。
熱中症の症状と応急処置
車内熱中症の症状と応急処置についてご説明いたします。熱中症は一般的に軽度・中度・重度の症状に分けられています。熱中症の症状がみられた場合、たとえ軽度であっても危険です。気づくのが遅ければ軽度から重度に変わる可能性も十分に考えられます。万が一、熱中症の症状がみられた場合は早急に応急処置を行うようにしてください。
熱中症の可能性が考えられる症状
以下の症状がみられた場合は、熱中症を発症している可能性が疑われます。あくまで目安として参考にしてください。
- 脈拍がはやい
- 呼吸が荒い
- 顔色が悪い
- めまいや顔のほてり
- 筋肉痛や筋肉のけいれん
- 体のだるさや吐き気、頭痛
- 異常に汗が出る
- 皮膚が乾き、赤い
- 体温が異常に上がる
- まっすぐ歩けない
- 呼びかけに反応しない
- 自力で水分補給が出来ない
など、このような症状があらわれている場合は熱中症の疑いを持った方が良いです。すぐに適切な対処をとりましょう。
万が一、熱中症の症状がみられたら
万が一、熱中症の症状がみられた場合は、以下の応急処置を早急に行いましょう
- すぐに医療機関へ相談、もしくは救急車の手配
- 涼しい場所へ移動させる
- 衣服を緩める
- 体を冷やして体温を下げる
- 塩分や水分を補給する
まとめ
近年、日本は異常なほどの厳しい暑さに見舞われています。厳しい暑さに気を付けなければいけないのが熱中症です。熱中症は小さな子どもから高齢者まで誰にでも起こり得ることであり、処置が遅ければ命にも関わります。重症化をすれば、脳機能に後遺障害が残る危険性まであるのです。車内熱中症だけではなく、連日熱中症による搬送が全国で相次いでいます。毎日の気温や湿度のチェックも大切ですが、暑さ指数のチェックも大切です。「暑さ指数」とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。暑さ指数は労働環境や運動環境の指針として有効であると認められ、ISO等で国際的に規格化もされています。暑さ指数は環境省のホームページで確認することが可能となっていますので、ぜひ確認をしてみてください。