故障の少ない・壊れにくい車の基準は何でしょうか?
ひとことに壊れにくいといっても、車は何万個ものパーツを組み合わせ作られています。そしてメーカーによって力を入れている部分が違うというのも特徴の一つです。また、車は乗り方やメンテンナンスの仕方でも、各装置の耐久性や汚れ具合が変わります。使用している人によって壊れにくいと感じるかどうかの判断は違い、口コミだけを見たとしてもその人の使用方法までを推測するのは難しいでしょう。
そのためこの記事では、何万件もの人にアンケートを取り車の不具合について調査している団体であるJ.D.POWERという団体の調査結果をもとに、故障の少ない・壊れにくい車をご紹介していきます。
故障の少ない・壊れにくい車種を2つをご紹介!
まず初めに2020年において、壊れにくい車ランキング上位を獲得した2つの車種をご紹介します。
ムーヴキャンバス【ダイハツ】
ダイハツ・ムーヴキャンバスは、2016年から販売されているトールワゴンタイプの軽自動車です。2020年の日本自動車耐久品質調査では、軽自動車カテゴリで1位を獲得しています。販売メーカーは名前にもあるようにダイハツ工業であり、箱型の軽自動車が好まれる現代にマッチした車だといえるでしょう。またムーヴキャンパスは「女性ユーザー」を対象としてデザインされた軽自動車であるものの、幅広い年代の方に愛用されています。
買い物などでの使用を想定したレイアウトになっており、小物置き場も充実し内装も丸みを帯びかわいらしさを強調しています。また安全性能も充実しており、被害軽減ブレーキアシストはもちろんのこと、事前ブレーキや衝突警告機能も兼ね備え、安全で快適なドライブを楽しめる一台なのです。
パッソ【トヨタ】
トヨタパッソは2004年から販売が開始され、現在では3代目まで製造されているハッチバックタイプのコンパクトカーです。2020年の日本自動車耐久品質調査では、コンパクトカーの部類でトップを獲得しています。
ダイハツとのOEM車であり、製造はダイハツが販売はトヨタが行うという販売形態を採用しています。コンパクトカーだけに軽自動車並みの小回り性能を実現しており、パッソの最小回転半径は4.6mです。
またガソリンエンジン登録車では最も燃費がよく、
- WLTCモード:21.0km/L
- JC08モード:28.0km/L
ハイブリッド並みの低燃費車だといえるでしょう。これまで採用していた1.4Lのエンジンは廃止されたものの、小さな体で快適なドライブを楽しめる一台となっています。
今回ご紹介した2つの車は、故障の少ない・壊れにくい車、つまり不具合報告の少ない車です。
軽自動車部門とコンパクトカー部門に絞りご紹介しましたが、その他にも
- ミッドサイズ:スバル レヴォーグ/トヨタ カローラ(同率1位)
- ミニバン:トヨタ エスティマ
という結果となっています。もし今、どの車を買おうか迷っているのであれば、このようなランキングも選択肢の一つに入れてみてはどうでしょうか。
2020年の故障の少ない・壊れにくい車メーカー1位はダイハツ!
2020年のメーカー別耐久品質調査では、ダイハツが初の1位を獲得する結果となりました。
【J.D.パワー公式サイト】
引用:https://japan.jdpower.com/ja
【日本自動車耐久品質調査リリース】
ダイハツがブランドランキング初の総合No.1(~ダイハツがブランドランキング初の総合No.1~)
引用:https://japan.jdpower.com/sites/japan/files/file/2020-10/2020_Japan_VDS_J.pdf
これまではレクサスが3年連続1位を獲り続けていましたが、ダイハツをはじめ多くのメーカーの大幅な改善が見られた年だといえます。もちろんレクサスもダイハツに次いで2位を獲得しているため、故障の少ない・壊れにくい車ということは変わりません。
車には初期不具合が出てしまう個体も少なくありません。何万台と製造されているため、そのような不具合は必ず出ますし、不具合が発生した場合に対処できるように新車保証があるのです。しかしせっかく新車で購入したのに、壊れてしまうと少し残念な気持ちになりますし、今後も何か不具合がでるのではと警戒してしまう気持ちもあるでしょう。メーカーではそのような事態にならないために、毎年不具合の調査や修正を行い、できるだけ快適に乗ってもらえるよう努力をしています。
また今現在、故障の少ない・壊れにくい車として1位を獲得しているダイハツも、数年後には1位ではなくなっている可能性も十分にあります。できるだけ故障の少ない・壊れにくい車に乗りたいのであれば、このような調査結果を参考にしてみるのも大切だといえるでしょう。
日本自動車耐久品質調査(VDS)とは?
先ほどからお伝えしている日本自動車耐久度品質調査とは、いったいどのような調査でどのような団体が行っているのでしょうか。日本自動車耐久品質調査を発表している団体は、「株式会社ジェイ・ディー・パワージャパン」という会社であり、さまざまな製品やサービス品質の向上に向け顧客の声を収集するというサービスを行っています。
本社はアメリカのミシガン州にあり1968年に創立されました。当時は自動車業界だけに的を絞り情報を提供していましたが、次第に商品や地域を拡大し、現在では北米、ヨーロッパ、アジアなど世界中で調査を行っているのです。そして今回、故障の少ない・壊れにくい車の目安として使用した日本自動車耐久度品質調査では、2か月間に渡りインターネットを通じで車の不具合経験の有無を収集しています。回答者数は約2万人、調査対象としている車は新車購入後37カ月以上54カ月未満のユーザーとし、新車における初期不具合をターゲットに絞り調査を行っているのです。
調査内容は8項目であり、詳細は以下の通りです。
- 外装
- 走行性能
- 装備品/コントロール/ディスプレイ
- オーディオ/コミュニケーション/エンターテイメント/ナビゲーション
- シート
- 空調
- 内装
- エンジン/トランスミッション
分野を絞ることによってどの箇所に不具合が多いのかという点も一緒に調査を行っています。また、車両100台当たりの平均を算出し、不具合数が低い車種からランキングを作成しています。今回ご紹介したダイハツの結果は、54Pつまり100台のうち約54台に不具合が出るということです。この数値は2019年から見ると19ポイントも下がっており、いかにダイハツが改善に力を入れているのかが分かります。その他のメーカーに関しても改善数値は高く、今後もさらに改善し品質の高い車が出回ることでしょう。
調査結果よりも日頃のメンテナンスの方がよっぽど大切!
ここまで初期不具合における壊れにくさについてご紹介していきましたが、初期不具合がないからといってメンテナンスをしなくてもいいというわけではありません。車を壊れにくい状態にするためには、日々のメンテナンスは必要不可欠です。使用年数が長くなればなるほど、メンテナンスをしっかりと行っているかどうかで壊れにくさが変わります。
例えば、新車購入時から1度もエンジンオイルを交換していない車と、5000キロごとにしっかりと交換している車では、圧倒的に前者のエンジンが壊れる確率は高くなるでしょう。その他にも、日ごろ走る道の状態や駐車場の状態など、使用する人の数と同じように、車の状態も個体によりバラバラです。また事故の有無などによっても、今後壊れやすいのか壊れづらいのかという点も変わります。そのため購入後期間が経っているのであれば、壊れにくいかどうかは所有者によるところが大きいといえるでしょう。
故障の少ない・壊れにくい車にするためにも、日々のメンテナンスはしっかりと行うことが大切なのです。
まとめ
故障の少ない・壊れにくい車という定義はさまざまですが、初期不良として考えるのであれば日本自動車耐久度品質調査を参考にしてみるのもいいでしょう。2020年のランキング1位はダイハツ車であり、軽自動車であればムーブキャンパスが最も不具合報告が少ない結果となっています。またレクサスも2位ではあるものの、2019年までは3年連続で1位を獲得するなど品質の高さが特徴的だといえます。
しかし使用年数が長くなれば、メーカーの品質よりもメンテナンスの方法による故障率の方が可能性は高くなります。愛車を壊れにくい車にしておきたいのであれば、定期的なメンテナンスは必須であり、メンテナンスもしていないのに壊れたとメーカーにクレームを入れても意味がありません。
それほど車のメンテナンスは大切なのです。
そして今後車を乗り換えたい、初めて車を購入するという方は今回ご紹介した日本自動車耐久度品質調査を参考にしてみてはどうでしょうか。