近年、異常気象や地震などにより、車も被害に遭う事が多くなりました。そして、災害の大きさ次第ではその車をそのまま廃車にする事になるでしょう。今回はそんな中でも、水害にあってしまった車の廃車手続きについてご紹介いたします。
水害に関しては通常の廃車と異なり、やってはいけない行動などの注意点もございますので、そういった状況に直面している場合は事前に確認いただければと思います。
水害車の状況で変わる初めの行動
一口に水害にあった車といっても、そのレベルは様々です。
本当に海に沈んでしまったレベルの水没車の場合もありますし、冠水などでマフラーの中に浸水しがエンジンルーム内は無事といった場合もあります。
それぞれの状況によって、廃車を行うための方法も異なりますので、まずは状況ごとで初めに行うべき行動をご紹介いたします。
水没車の場合
一つ目の状況としては、水没してしまっている車についてです。
廃車を行う場合、基本的には廃車買取業者や解体業者に依頼されることになりますが、これらの業者はレッカー車での移動は行えますが水没車の引っ張り上げまでは行ってくれません。
というより、引っ張り上げる設備を持っていないじゃろうな。
なので、水没車に関しては、廃車業者を呼ぶ前にまずはJAFなどに地上まで引っ張り上げてもらうように依頼しましょう。もし、それが海でJAFでは手に負えない場合は、警察にも相談してみましょう。
水害にあったが地上にある場合
水没車に対して、水害にあったものの車自体は地上に残っている場合は、廃車買取業者でも解体業者でもレッカー車の手配ができる業者であれば移動が可能ですので、そのまま申し込みを行ってしまって大丈夫です。
普通の廃車手続きと一緒だね。
ただし、あくまでも車が正常な状態である事が条件ですので、横転していたりした場合はレッカー車に乗せる事が出来ないので、申し込み前にその状態でも可能か確認してみましょう。
もし、4輪全てのタイヤが地面についていないと引き取りできないという場合は、JAFに頼んで車の向きを直してからの廃車引き取りとなります。
水害車の場合は業者選びを慎重に
続いては、水害に遭ってしまった車の廃車を依頼される業者についての注意点をご紹介いたします。というのも、水害車に関しては通常の廃車とは少し異なる扱いになってしまう事が多いのです。
絶対条件は水害車でも引き取り可能な業者
水害にあった車の廃車業者選びの絶対条件としては、水害車の車でも引き取りが可能な業者を選ぶ事が絶対条件となります。
「何を当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、これが結構重要なことで、前述でも少し触れましたが水没車などは通常の廃車とは異なり、敬遠される傾向にあるのです。
これは、恐らくリサイクル法に基づいた解体・スクラップを行う業者側の作業内容が、より面倒になってしまう為でしょう。
解体業者は昔のように単にプレスするだけではなく、結構面倒な工程を行わないとスクラップに出来んからのぉ。
なので、廃車買取業者だから水害にあった車でも大丈夫という保証はないので、依頼される前にその点の確認が必要になります。
別途費用が掛からないかを確認
業者選びで2つ目に気を付けるべき点は、廃車に費用が掛からないかどうかという点です。これは、「手数料無料」と謳っている業者であれば大丈夫という訳ではありません。そういった業者の中には、無料の条件として「自走可能な場合のみ」だったり「水没車は有料」といった条件が付いている場合があるのです。
なので、水害にあってしまった車に関しては、しっかりと無料で引き取りができる業者かどうかの確認を行いましょう。
現状、水没車でも無料引き取りが出来る業者としては、廃車専門の買取業者がおすすめじゃの。
水害車のNG行動
それでは、最後に水害に遭ってしまった車に関して、廃車手続きを行う上でのNG行動についてご紹介いたします。
通常であれば特になんの問題もない行動であっても、水害にあった車の場合は怪我や重大事故に繋がる可能性もございますので、かなり慎重に行動するようにしましょう。
エンジンの点火を行わない
水害の程度にもよりますが、完全に乾ききっていないうちにエンジンをかけないようにしましょう。
万が一、エンジンルーム内部にも浸水してしまっていたら、エンジンをかけてしまう事でパーツの破損や火災の発生にもつながる可能性があります。どうせ廃車にするから大丈夫に思われるかもしれませんが、火災車になってしまうと、もはや無料で引き取りができる業者はなくなり、処分費用として何万円もかかるようになります。それに最悪の場合は、エンジンをかけた事で怪我をしてしまう可能性もありますので、むやみに操作しないようにしましょう。
電気系統にもふれないように
次のNG行動は、電気系統に関するものです。水害にあってしまった車は、多くの場合、車の内部にまで水が浸水している事がほとんどです。この状態でライトをつけたりエアコンを作動させてしまうと、浸水した水が電力系統に触れてしまい、ショートや感電のリスクが発生してしまうのです。
この時に車の表面やシートに触れていると、車に使われているバッテリーはかなり強力ですので、運が悪いと病院送りになりますので、注意しましょう。
特にキーを最後まで回してエンジンを掛けなくても、一つ手前のところまで回せばエアコンやラジオ、パワーウィンドウなど様々な電力系統の操作ができるようになりますので、容易に動作チェックを行わないようにしましょう。
感電など、大怪我を負ってしまうこともあるから気を付けよう!