愛車のマフラーから白い煙が出ていると壊れたのでは、と不安になってしまうと思います。
そしてマフラーからの白煙は、故障の症状として出ている場合もあるため注意が必要です。故障しているための白煙なのか、異常のない白煙なのかを簡易的に判断する方法は臭いです。
何か焼けているようなにおいがある場合は、どこかにトラブルがある可能性が多く、何の臭いもなければ異常がないと判断することができます。走行中に不安になり事故を起こさないためにも、マフラーから白煙が出る原因を知り、適切に対処することが大切だといえるでしょう。そして故障しているのであれば早めの修理を行うことで、さらにひどい状態になることを防ぐことにもつながります。
今回はマフラーから白煙が出る理由や、白煙が出やすい状況などについてご紹介していきます。
冬にマフラーから出る白煙の正体とは?
マフラーから白煙がでるということは、エンジンの燃焼室で発生していると考えられます。
原因はさまざまですが、マフラーから白煙が出る場合
- 車に異常のない白煙
- 車に異常のある白煙
この2つが考えられます。つまり白煙が出ても異常がない場合もあるということです。
白煙が出ることを理解するためには、車内の空気の流れを理解する必要があるでしょう。
空気の流れを簡単にご説明すると以下の通りです。
- 車外の空気がエアダクトに入る
- エアクリーナーを通る
- スロットルボディーで空気量を調整される
- インテークマニホールドで気筒ごとに振り分けられる(このとき燃料と混ざる)
- 燃焼室に入り圧縮され爆発する
- エキゾーストマニホールドで各気筒ごとに出てきた排気ガスを1か所にまとめる
- 三元触媒によって無害の排気ガスにろ過される
- マフラーから大気へ放出される
白煙が出ている場合、5の爆発によって発生しているのかもしくは6~8にかけて発生しているのかによって対応方法が変わります。
無臭であれば水蒸気の可能性が高い
もしマフラーから白煙が発生して気になるのであれば、まずは白煙からどんな臭いがしているのかを確認しましょう。
臭いを嗅いでみて無臭であれば、水蒸気である可能性が高いため問題ありません。排気ガスなので無臭ということはないでしょうが、変に燃えた臭いがしないなどの場合はそこまで気にする必要はないでしょう。
故障ではないと判断できます。
ではなぜ白煙が出ているのに異常がないと考えられるのでしょうか。その理由はこの場合の白煙は、水蒸気である可能性が高いためです。
エンジン内での空気の通り道は完ぺきに密封されているわけではありません。そのため入り込んだ空気がエンジンによって暖められ結露ができます。
結露は水なので蒸発し水蒸気となるのです。その水蒸気が白煙としてマフラーから出ていると考えられるのです。
始動時の白煙は冬によくある現象
エンジン始動時にマフラーから白煙が発生する現象は、冬によく見られる現象です。冬には外気温が低く、エンジン周辺の温度との差が夏場に比べ広くなります。
そのため結露が発生しやすく、白煙として排出されているのです。そして出てきた白煙が水蒸気であった場合、エンジンをかけ続けていると次第に透明になってきますので安心してください。
つまり冬場の始動時は白煙が出やすいということなのです。特に朝方は気温が低く、結露が発生しやすい状態となっています。白煙が発生する理由の一つにはこのような背景があり、全く問題ない白煙であると考えることができます。
マフラーから臭いのある白煙がある場合は注意が必要!
マフラーから発生している白煙に臭いがある場合は注意が必要です。
臭いがあるということは、何かが燃えているということです。先ほどお伝えした空気の流れの5で発生している可能性が高く、燃えている物質はエンジンオイルだと予測することができます。
ではなぜエンジンオイルが燃えてしまうのでしょうか。その理由を簡単にご紹介していきます。
白煙が出る原因はオイル!
白煙の原因としてオイルが燃えてしまっていると考えることができます。通常、燃料と空気だけしか燃焼しないはずのところにエンジンオイルが入り込むと、白煙と異臭という形でマフラーから排出されます。
そして水蒸気とは違い、時間が経てば消えるということはありません。常に白煙が出ているため、誰が見ても何かトラブルが発生していると分かることでしょう。
車の動力源は燃料と空気の混合気です。混合気は排気ガスや燃費の観念から、最も燃料効率のよい数値で混ぜられてあり、爆発後はほとんど燃えカスが残らないように作られています。
そのため燃焼しても透明であり、その後三元触媒によって有害物質をろ過しているのです。
しかしその混合気の中に、本来燃焼する予定ではないエンジンオイルが入り込んでしまうと白煙が発生します。勝手に直ることはないので、すぐに整備工場へ持ち込み修理してもらいましょう。
オイル下がりかオイル上がりを起こしているかも
エンジンオイルが燃焼室に入り込む原因は3つ考えられます。
- オイル上がり
- オイル下がり
- PCVバルブの故障
オイル上がりとは、ピストンの作動域であるシリンダーにあるオイルが、オイルリングの破損などで燃焼室まで入り込んでしまう現象です。またオイル下がりとは、シリンダーヘッドで循環しているエンジンオイルが、バルブの劣化や故障などで燃焼室に入り込んでしまう現象を指します。
どちらもエンジンオイルが燃焼室に入る原因であり、上から入り込むのか下から入り込むのかという違いがあります。
上記の2つの故障は修理箇所は違うものの、症状が同じなので原因を突き止めるのが難しという背景もあるのです。
その2つに加えPCVバルブの故障でも、白煙が発生します。PCVとは環境保全の観点から取り付けられてある装置であり、クランクケースにある混合気を再度燃焼室に入れ、混合気の無駄と大気開放を抑制する役割を持ちます。このバルブが故障すると、常に開きっぱなしとなりクランクケース内のエンジンオイルまで燃焼室に入れてしまい白煙の原因となってしまうのです。
このようにただ白煙が出ているだけでは、何が故障しているのかを突き止めるのは難しく、整備工場へ持っていきしっかりとした診断が必要だといえるでしょう。
オイル消費とも呼ばれるこれらの故障は、白煙が発生するだけでなく燃焼室の汚れの原因となったり、燃費自体も低下します。
またエンジンオイルが焼けるということは、量が減るということなので、放置しておくとエンジンの焼け付きにもつながるのです。
車のトラブルは放置しておくと、別の装置の故障原因となることも珍しくありません。修理は今度にしようと先延ばしせず、早め早めに直すことが長く車に乗る秘訣だといえるのではないでしょうか。
まとめ
マフラーからの白煙は、水蒸気かオイル消費だと考えることができます。判断方法は臭いの有無です。異臭がするようであればオイルが燃焼室に入り込んでいる可能性が高く、すぐに修理が必要です。
それに対し変ない臭いがせず、時間と共に白煙が消えるようであれば水蒸気だと考えられるため気にする必要はありません。しかし異常な白煙が出ている車をいつまでも放置していると、最悪の場合、エンジン載せ替えをしなければならない場合もあります。またオイル上がりやオイル下がりの修理は、一部とはいえエンジンを分解する作業が入るため決して安い修理ではありません。
もし修理が高額になりそうであれば、乗り換えを検討するのも一つの方法だといえるでしょう。