「ギシギシ」や「ゴロゴロ」、「キュルキュル」など車の異音は数えきれないほどあります。そして簡単に解決できる異音から、修理が必要な異音まで異音に対しての対応一つとっても幅広くあるのです。一般的によく発生する音であれば、どこから鳴っているのか突き止めることは簡単でしょう。
しかし普段聞きなれない音であったり、特別な状態で発生する音に関しては、どこから鳴っているのかを突き止めることさえ難しくなります。
そして覚えておかなければならない危険な音もあるため、今回は車の異音が出た時の対処方法や異音の種類についてご紹介していきます。
車から異音がする!どうすればいいの?
車から聞きなれない音が聞こえると、なかなか運転に集中できないと思います。もしかすると、重大な故障をしているのではないかと不安になる方もいることでしょう。また異音ばかりに気を取られると、周りの車の状況判断が遅れ事故につながることもあるため危険です。車の異音は簡単に取り除くこともできますが、場合によっては原因が分からずなかなか直らない場合も存在します。しかし、異音が発生した時の状況を的確に把握することで、意外と早く解決する場合もあるのです。
では車から異音が発生した場合、どのような点に注意しておけばよいかをご紹介していきます。
まずは異音の場所や場面を確認
まず車から異音が発生した場合に確認してほしい点は3つあります。
- どのあたりから音がしているのか
- どんな場面で音がしているのか
- どんな音なのか(似ている音などあれば)
異音がするのであればどのあたりからどんな音がしているのかを、言葉で説明できるようにする必要があります。また常に音がしている異音と、特定の状況でしか音が鳴らない異音の2種類があります。そして常に音がしているのか、特定の場所を通った時にだけもしくは特定の操作をしている場合のみかどうかという点を探しましょう。
例えば、アイドリング中は全く音がしていないのに、車を前進させると異音がするということも考えられます。ハンドルを右に切った時にだけ音がするなんてこともあるのです。このように異音がするといっても、ある程度の予測を立てなければ探すのは難しく、異音がするとだけ伝えても解決することはできません。特に異音などは整備工場へ持って行くと鳴らないなんてことも珍しくなく、異音が分かるのは自分だけなんて状況になってしまえば、解決するのはさらに困難だといえます。
不安になる気持ちは分かりますが、まずは落ち着いて上記の3点を確認してみましょう。
車の異音トラブルは解決が難しい場合も
異音は解決が難しいトラブルです。
人によって聞き取り方の違いから、異音と思ってしまう場合もあります。つまり整備士が同乗して音鳴りを確認して全く問題ない音だとしても、人によっては異音に聞こえてしまう人もいるのです。このように異音と思っている音でも、異音ではないこともあります。
そのような場合、解決は難しくなるでしょう。ゴトゴト音がするからどこかが壊れていると思っても、荷台に積んでいる荷物が動いている音だったなんてこともあります。また何かの拍子に異音がしなくなり、結局、原因不明のまま解決してしまうこともあれば、異音を解決するのに時間がかかるため、現状のまま乗り続ける方もいるのです。
車を操作中に普段聞きなれない音が車から発生した場合、まずはその日、いつもと何か違った行動をしていないかを思い出すことも、解決の近道になるのではないでしょうか。
車の異音がよく発生する箇所や危険な音をご紹介!
車の異音は音がするから正常であることも少なくありません。ターボ車などでは過給機の音がうるさく聞こえてしまい、故障したのではと心配になることもあるでしょう。
またブレーキパッドにはインジケーターがついており、ブレーキパッドの残量が少なくなれば「キーキー」という音で知らせます。
これらの音は故障しているから音がしているのではなく、正常に作動しているから音が発生しているのです。
では異音にはどのような音があるのか、また危険な音についてもご紹介します。
異音が発生しやすい箇所
車には異音が発生しやすい場所があります。そのような場所の異音トラブルは、よく整備工場へ持ち込まれます。
よく発生する異音の種類として
- ブレーキ周りの「キーキー」
- ベルトの「キュルキュル」
- マフラーの「バラバラ」
- ベアリングの「ゴー」や「ゴロゴロ」
- ショックの「ギシギシ」
などが挙げられます。
ブレーキやベルト鳴きの原因の多くは、劣化していることによるものであり、交換すれば直ることがほとんどです。もちろんその他の原因もあります。
その他の異音に関しては、年式が古かったり走行距離が多い車に表れやすく、各装置が故障もしくは劣化によって引き起こされます。
給油で直るものもあれば装置を交換しなければ直らない異音もあるため、まずは整備工場で原因を確認してもらいましょう。
その後交換するのか、異音が出たまま乗り続けるのかを決めればいいのです。
こんな異音が発生すると危険!
異音を解決しないまま乗り続けることもありますが、なかには危険な異音も存在します。
エンジン内部から発生する「ゴロゴロ」や「ガラガラ」音が聞こえた場合、すぐにエンジンを止めましょう。
この音はオイル不足によって発生している可能性が高く、オイルチェックランプが点灯している場合もあります。そのままかけ続けると、エンジン内のピストンなどが焼け付き、エンジンに重大なダメージを与えてしまうのです。
エンジンが焼け付いた場合、各パーツを修理するのは難しくエンジン載せ替えという高額な修理費用が発生します。
そうならないためにもこのような危険な異音を覚えておき、もし愛車で発生した場合すぐにエンジンを止め、ロードサービスを呼びましょう。
エンジンの重大な故障としては、オイル不足によっての焼け付きの他に、オーバーヒートというトラブルも存在します。
オーバーヒートとは、エンジンを冷ますことができず、高温になってしまう状態を指し、このトラブルも危険です。どのような症状が出るのか分からなければ、水温計のランプが赤に変わった場合、オーバーヒートの目安にすることができます。オーバーヒート時には「キンキン」や「カンカン」などの異音が発生しますが、車からの煙やにおいなどで気づくことが多く、異音に関してそこまで気にする必要はないでしょう。
しかしオイル不足によっての焼け付きの場合、気づかず走行しエンジンを壊してしまうこともあります。そのためオイル不足によるトラブルは、異音にも注意する必要があるのです。
まとめ
車の異音は種類が多く、すべてをお伝えすることはできませんが、よく異音が発生する箇所はあります。もしブレーキやベルトから異音がする場合、そろそろ交換時期である可能性が高く、劣化状態を確認する必要があるでしょう。その他の装置に関しても、劣化によって異音がすることも多いため愛車の年式が古い場合や走行距離が多い場合は、異音が発生する前に交換することをオススメします。
発生するであろう異音を、すべて覚えることはできません。しかしエンジン内部から発生する「ゴロゴロ」や「ガラガラ」音はエンジン故障の原因となるため特に注意が必要です。
異音によって故障の有無を確認するという方法は、中古車でも使用できます。
もし購入予定の車があれば実際にエンジンをかけ、変な音がしていないかどうかを確認しておくことが大切だといえるでしょう。